子どもが成績を上げていく本当の道とは【保護者向け】
- Lord Dear
- 2024年12月5日
- 読了時間: 6分
更新日:2024年12月6日

このコンテンツは保護者向けです。
保護者から見て、成績が厳しい、上がらないと感じることは多いかもしれません。この子はどうして危機感がないんだろうとイライラすることもあるかと思います。
集中力がない/ 自分も若いときはできなかったから、この子もできないに違いない/ 自分が学生だったときはきちんとできていたのに、この子はどうして似ていないの?/塾へ行かせるべき?今の塾ではだめなんじゃないか?/勉強方法が分かっていないのでは?/何か問題集を買ってやらせるべき?
あらゆる原因、解決案が、頭を駆け巡っていきます。
ただ言えることは、原因の分析を間違えると、解決策も間違えることになります。誤った診断をした医者が、適切な処方箋を与えられないのと同じです。
多くの教育専門家はどのようなことを指摘しているか、まず確認してみましょう。
成績不振の原因① 親子関係が悪い?
道山ケイ 思春期アドバイザー、元教員
「親子関係が非常にいい子どもの4割は、オール4以上の成績をとれています。一方、親子関係が非常に悪い子どもの場合、オール4以上とれている子は約1割です。つまり、子どもの成績を上げられる親と上げられない親の1つ目の違いは「親子関係」になります。」
川本 雄介 東大セミナー講師、ドラゴン桜コース責任者
「親御さんが、仕事や家族関係で問題を抱えていて、思い悩む時間が長く、機嫌が悪いと、子供にも影響が及んでしまい、成績が伸び悩むのです。私が介入して家族関係が良好になったり、親御さんの抱える問題が解消されることで、親御さんの機嫌がいい状態が続くと、子供の成績も上がります。東大に合格した家庭や、それ以外の難関大学に合格した家庭を見ていると、親子の仲がよくて、家族の関係性がとても良好であることに驚かされます。」
武田塾
「親の心が不安定な状態だと、子どもと建設的な会話ができない」
にしむら先生 受験指導専門家
「我が子の成績を下げる働きかけ第一位は、勉強を強制することです」
親野智可等 教育評論家
「否定的な言葉をいっさい使わないと決意して、肯定語と共感に徹する。これやるだけでかなり違ってくると思います。これをぜひ続けていただければ、親子関係はみるみるよくなっていきます。」
保護者の皆様には、ショッキングな内容かもしれませんが、専門家の間で最も多いのは「親子関係に問題がある」という説明です。
厳しい内容ではありますが、まずはここから向き合ってほしいと思います。
お子様の集中力がない、やる気がない、だらしがない、勉強時間がないなど、あらゆるお子様の問題点は、保護者のアドバイスを聞いてもらえるなら解決します。しかし、問題が生じるのは、そういったコミュニケーションがうまく通らないからです。おそらく、お子様の機嫌が悪くなってアドバイスを聞かないことが多いのではないでしょうか。結果的に「勉強する/しない」で喧嘩になってしまい、お子様のモチベーションはどんどん悪化していきます。
成績不振の原因② 生活習慣に問題がある
TSK東京進学会 塾長
「勉強が出来ていない要因のうち最も基本的なものから挙げていきますと、第一に来るのが、生活の側面で「規則正しい生活習慣が確立されているか」です。これが学習基盤となります。これをチェックする重要な指標が「就寝時間」、「起床時間」、「食習慣」がきちっと出来ているか否かです。学校や塾の授業中に眠そうにしていないでしょうか。眠ってしまっていることがないでしょうか。そして授業をほとんど聞いていないということがありませんか。授業内容についていけてないということで眠くなることもあるかもしれませんが、その原因のほとんどは生活習慣が乱れていることです。夜遅くまでパソコンやゲーム、携帯をやってはいないでしょうか。朝あわてて起きて食事もとらずに学校へ行ってはいないでしょうか。特に朝食事をとらない場合はエネルギー不足で午前中の授業は集中できないはずです。」
石田 勝紀 : 教育デザインラボ代表理事、教育評論家
「学力を高めるには、一生懸命勉強すればよい、と思われているかもしれません。それも間違ってはいませんが、勉強すれば学力が上がる場合もあれば、上がらない場合もあります。上がらない場合、かなりの確率で“子どもの生活習慣”に原因があるのです。よくみてみると成績の悪い子には共通して3つ、生活習慣に問題があることがわかりました(ただし、成績の良い子がこれらの生活習慣が全てできるわけではありません。逆は真なりではありませんが)。しかも、その3つの生活習慣を整えると学力が上がることもわかったのです。」
専門家が挙げる項目のなかで「生活習慣」に関することも看過できない大事なポイントです。やる気の問題が、心というよりも、先に生活の「習慣」に関係しています。また学習習慣は、「生活習慣」の1つになりますので、生活習慣が乱れているなかで、学習習慣がないのも自然なことです。
成績不振の原因③ 基礎がわからない
鍋島史一
「学校の教室を訪ねて授業を参観していると、教科書とは別にプリント/ワークシートが用意され、先生が丁寧に説明を重ねながら、その空所を埋めていく場面をよく目にします。
プリントを使っていないケースでも、教科書や副教材、資料などに書かれていることを、先生が解説をしながら板書をして、生徒はそれを一生懸命にノートに書き写しているだけというのも少なくありません。
こうしたやり方(教え方)ばかりでは、生徒は教科書などを自力で通読し、書かれていることを理解する必要に迫られることもなく、そうした力を身に付けるためのトレーニングも行われていないことになります。
実際、生徒の手元を覗いてみると、教科書はずっと机上に閉じられたまま。3学期になっても参照型副教材に使い込まれた形跡が見られなかったりもします。授業以外でも教材を読んでいないということでしょう。
その結果が、冒頭に引用した「中高生の半数近くが検定教科書を正確に理解できない」という事態であれば、丁寧に説明して理解させる従来のアプローチから離れ、学ばせ方の転換を図る必要があるはずです。」https://fn-officef.com/blog/202403/1991/
基礎ができていない、ということについて反論する人は誰もいないでしょう。実は、ある問題が正解で◯だからといって、基礎ができているわけではありません。
教科書が読めない・わからない ⇒ だから、わかりやすく教えてあげるということは、ステップとしては重要です。しかし、目的そのものではありません。教科書がわからないことは、根本的な問題であり、最終的には解決しなければ行き詰まります。
「素数って何ですか?」
私はよくこういう質問を生徒にします。こういった数学の概念についての質問も、大半の生徒が答えることができません。基礎である言葉の意味を説明できない場合、やはりそれは大丈夫というわけではないのです。もちろんこの言葉の説明も「教科書」にはしっかり書いています。
保護者の方、生徒本人で、このことに気づきこれを解決することはかなり難しく、塾などで一度、診断はきちんと受けるほうがよいでしょう。
しかし、われわれ教育者も「教科書では分かりにくいから、分かりやすいものを与える」という流れにはなりがちです。ただこのことで「教科書を読む必要はない」と誘導してしまうことにもなってしまいます。
塾を選ぶ際も、塾の考え方は確認しておきましょう。
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