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勉強方法が分からない子供が増えている?(2)

執筆者の写真: Lord DearLord Dear

勉強方法がわかれば成績上がる


 この記事は、勉強方法が分からない子供が増えている?(1)の続きです。前回の内容では、ここ2,3年で勉強方法が分からない子供が増えていること(特に小学生)、また学習方法が分からないことは、学習時間や学習意欲よりも、成績への影響が強いことが分かりました。


 今回は、学習方法の理解とは具体的に何なのか、特に何を意識すればよいのかというポイントをおさえていきたいと思います。


 以下は、学習方法をより具体化した「学習方略」として、子どもたちがどのようなアプローチを重視しているかを調査したものです。注目ポイントは、「差」のポイント数値が大きい項目です。




東大/ベネッセ「子どもの生活と学びに関する親子調査 2022」結果速報より抜粋



 学習方略(つまり勉強方法)のなかで差が大きい順に3つ並べると、


第1位 「自分に合った勉強のやり方を工夫している」

第2位 「計画をたてて勉強する」

第3位 「何がわかっていないか確かめながら勉強する」


 となります。この3つをいったんおさえれば、成績は大きく向上すると仮定してみましょう。これら3つが何を意味するのか、ということも意見が分かれるところですが、私なりのイメージでまとめてみたいと思います。


① 自分に合った勉強のやり方を工夫する


 これは、学習における成功方法を他の人から会得しつつも、自分流に「アレンジ」していくことです。実際には参考書の使い方だけでなく、学習の場所やタイミングなど、自分自身のコントロールを含むものとなります。

 工夫することのポイントは、まず第1にどのようにすればもっと楽しくできるかを考えること、第2にどのようにすればもっと簡単にできるかを考えることです。こういった思考で動けるようになっていくことが、アレンジにつながっていきます。


② 計画を立てて勉強する


 どこまで綿密に行うかは、性格などによって異なるものの、根本的には「逆算」ができるかどうかです。まず目標の決定、次にテストや入試までの残り期間や学習範囲の整理をした上で、1日あたりの学習量や時間配分のイメージは作れるようにする必要があります。


 いきなり大きな計画を作るのは難しいので、まずはサポートをもらいながら小さな計画を立ててみて、その成果を実感することが大切です。小学生であれば、漢字テストでも全然問題ありません。中学生は定期テスト、場合によっては1科目だけでもOK。できるだけ期間は短く、すぐに成果を出せそうなもので試し、計画の大切さやその修正を行うことのイメージをつかんでいくことが重要です。


③ 何がわかっていないかを確かめながら学習する


 学習における「小さなつまずき」を軽んじないで、すぐに解消することを普段から大切にしているかどうか、ということになります。基本的にはその日のうちに解消する姿勢です。

なぜつまずきをすぐ解消しなければいけないのか。それは、時間が経てば経つほど熱が冷めやすく、どうでもよくなってしまうこと。さらにいえば、そもそも何に自分が疑問を持っていたのかを忘れてしまうということもあります。




 ここまで①②③を取り上げてきましたが、成績をアップしたいなら、自分の学習方法をよりレベルアップするように努力することが近道です。


 この東大とベネッセの共同調査からいえることは、他にもあります。


◯ 学習意欲が向上していないなら、学習方法を理解していないか、現在の学習方法が自分に合っていない(少なくとも生徒本人には納得感がない)


◯ 成績が下がっているなら、学習時間を増やすことよりも、学習方法を早期に改善する必要がある(勉強時間/自習時間を増やすだけでは、かえって状況を悪化させる)


◯ 学習意欲と学習時間が増えるだけでは、成績は向上しない


◯ 学習方法に能動的な関心を持っていなければ、学習意欲は向上しない


 上記のようなことも言えると思います。 


 今後もこの学習方法の3つの項目については、記事にしていきます。塾としてのあり方としても、今後は学習時間をやみくもに増やすということよりも、まずは学習方法に重点を置き、生徒のパフォーマンスを上げることが重要になってきます。



 
 
 

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