
東大とベネッセによる共同調査の結果によりますと、勉強方法が分からない子供が増えている可能性があることが分かったようです。
「子どもの生活と学びに関する親子調査 2022」結果速報より引用
全体としてここ2、3年で急上昇しているのは明らかなのですが、より不自然な上がり方をしているのは小学4年生から6年生です。新型コロナウィルスなど感染症の蔓延などの外部要因もあるかもしれませんが、教育改革の推進や学校教員不足の深刻化など内部要因も関係しているかもしれません。
この研究は、「学習方法」の不明確さが強いほど、学習意欲を落とし、成績を降下させるという結論を出しています。逆にいえば、学習の方法さえ明確になれば、学習意欲や学習時間は自然と改善され、成績が上がるということになります。
少し難しい表になりますが、学習の相関性を示す調査結果です。
※前掲調査からの引用
この相関図は、数値が高いほど、その影響が大きいことを示します。簡単にいえば、赤色のものほど関係性が強く、影響力が大きいと言えます。全体に共通するのは、いわゆる勉強のやる気にあたる「学習意欲」は、「学習方法が分からない」ことに起因しているということです。また「学習方法」の理解が、「成績を上げること」への近道であることも明らかに見て取れます。
一方、学習時間ですが、たとえこれを増やしたとしても、成績アップへの効果は相対的に薄く、学習方法の理解が弱いままだと逆効果になる可能性もあります。
また、この調査は、学習方法の理解のほかに、「論理的な思考」や「粘り強さ」といった要素とも関係が強いことを伝えています。論理的に考える力というポイントは、成績上位と下位の間で大きな体感の差があるようです。
教育改革で「問われ方」が大きく変化しているため、論理的に考える力の向上は、今後の絶対条件となりそうです。
次回の(2)では、学習方法の理解、つまり身につけなければいけない勉強方法とは具体的に何なのかということを考察したいと思います。
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