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中学でお世話になった塾に高校でも通うべき?【リアルな話】

執筆者の写真: Lord DearLord Dear


 おおよそ中学3年生から高校1年生への進学時に継続するかどうかは、非常に重要な問題です。一般的に正常な塾の場合、少なくとも全中3のうち、半分程度は残ることを選択するでしょう。10名いたら、5名は同じ塾に通い続けるということです。


 いくつか正しい選択をするため、冷静に見てほしい内容があります。



① 中学生の進学実績と大学の進学実績はバランスが良いか


 徳島県であれば、基礎学力テストの高得点を強調する塾があります。400点こえているとか、20点アップしましたとか、そういった点数を掲げている塾です。


 そこで、そのまま大学の進学実績が公開されているかどうかをご確認ください。基礎学力テストの点数と、公開されている大学の実績が見合っているかどうかというところで、もし矛盾がある場合は、少し考える必要があります。


 原因は断定できませんが、少なくとも高校進学後の学力がうまくいっていない可能性は否定できません。それは塾の問題というよりも、中学生の時ほど全科目でフォローすることはほとんど不可能に近いという現実があります。


 したがって、1つの塾ですべての必要を満たしてもらえるかどうか、ということについては、限りなくグレーに近いということになります。たとえば、高校の「映像授業」を押している、「オンライ授業コース」があるというサービスを展開しているなら、その塾の内部戦力は十分ではないことを意味します。というよりはそれが自然です。



② 高校にオールマイティーな塾は存在しない


 塾側の問題としては、まず指導可能な講師が急激に減少します。中学生なら複数科目指導できている先生でも、数学だけ、英語だけという限定がつくことがほとんどです。生徒側の問題としては、単純に学校の滞在時間が長くなり、学校の宿題が増えたりといった環境の変化によって、中3のときのように毎日塾に行って先生に助けてもらうということができなくなります。高校生は、塾の料金が上がっていくという厳しい現実もあります。


 したがって、生徒自身は早急に自立して学習するという意識を強くもち、またそのための方法を研究し、実践しなければいけないというのが前提になります。武田塾やオンラインのコーチング塾も、学習管理という面では有力ですが、それでも経済的要因や地理的要因で通えないお子様はとても多いでしょう。



③ 塾に依存的であった生徒ほど、高校に入ると反動が大きい


 宿題が多く、何時間でも自習でがんばろうと励ましてくれる、厳しい塾。そこでの頑張りには価値があります。しかし、同時に高校生に入っても、その感覚が抜けきれない生徒が多いのも現実です。塾業界の隠された裏話として、「中学生でめちゃくちゃに勉強させられた生徒が高校に入ると精神的に疲れきって燃え尽き、取り組む気力を失っている」という話があります。


 こうなるのかどうかは、お子様自身の将来目標が明確であり、「自分のもの」であるかどうかにかかっています。高校に入ることそのものが目的であり、その先が漠然としている生徒の場合は、燃え尽きてしまうことがあります。また中学生は上位だったが、高校に入って一気に番数が下がる自分の本当の状況に愕然とするということもあります。


 しかしこういった逆境に対しても、最終的には自分自身のゴールや想いが支えてくれます。勉強そのものを塾に依存してしまった場合、やはり早急に自分自身の勉強というものを確立していくことが必要です。



④ もともと家で勉強できない、という生徒さんの末路


 ここで最大の問題は、もともと主体的に自分で勉強に取り組む習慣がなかった生徒です。塾に声かけしてもらい、長い時間を毎日のように塾で助けてもらっていたなら、それはあくまで受け身の学習です。ところがこういった手厚いフォローは、高校生ではほとんど難しいと言えます。できたとしても、数学など特定教科だけになるでしょう。


 国語の古典、化学など他の難題については、その多くを自分で切り開いていくことが必要です。自分で分かる情報(解説)を探す力、人脈をつくる力、調べる力、まとめる力など、あらゆる力は不足しています。しかし、一つ一つ丹念に取り組んでいくことが大切です。


 塾には通うべきであるかもしれませんが、高校においては、あくまで補助的なものでしかありません。


⑤ 根本的に考える、これが唯一の解決



 問いはとても大切です。高校生にとって危ない問いは「どこの塾にいけばいいのか」ということを最初に考えてしまうことです。


 大学進学などをふまえると、あらゆる塾には強み弱みがあります。したがって、生徒のみなさんにとって目標がない、志望校がない、方向性が何もないという状態で、塾を探すことそのものが危ないとも言えます。


 根本的に考えるとすると、まずは「何のために塾へ行くのか」ということをできるだけ具体的にするということです。「学校の勉強についていくため」、これだけでは、あまりに漠然としています。何のために学校の授業についていくのか、何をもって学校の授業についていけているとするのか、あらゆることが不明確なままです。


 結局は大学などの進路について、ある程度の目安がなければならないというところに行き着くことになります。


 成績が取れたら良い方向で考えるし、悪ければそれなりのところで考える、というのは簡単ですが、大学受験としてであればそれはあまりに楽観的です。この場合は塾そのものというよりは、真剣に保護者と生徒のなかでいろいろな情報を集め、まずは方向性を考えるところからぜひ開始してほしいと思います。





 
 
 

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